睡眠へのこだわりが不眠を招くワケ

次いで7時間台の人が31.6%で、5時間台の人が15.5%と続きます。一方、8時間台の人は11.5%に止まりました。長く眠れば熟睡感が得られるとは単純にはいえません。熟睡については「自分以外の誰かは(熟睡)しているのに、自分は(熟睡)していない」と他者と比べて考えがちです。

しかし、他人の熟睡と自分の熟睡を比べるのは困難です。睡眠や熟睡を考えるうえでは、他の誰かと比べるのではなく、眠りに悩む前の自分の睡眠と比べたほうがいいでしょう。

そうしないと、熟睡が捉えどころのないものになり、自分の睡眠に対する不満足感が強くなります。理想の熟睡像、睡眠イメージを勝手に作り出して、それを追いかけようとすると、そのこと自体が睡眠のさらなる不満足感、つまり不眠を招いてしまうのです。

そこで眠りに困っている人には「自分が熟睡したと感じた時のことを思い出してください」と最初に問いかけています。すると、学生時代、試験前に睡眠時間を削って無理をした翌日や、若い頃に寝る間を惜しんで働いたその週末に、泥のように眠ったことを思い出す方が多いのです。

自分にとって心地よい睡眠の基準を持つ

このような特別な睡眠が毎日続くわけはありません。泥のように眠ったのは、その前の睡眠不足や疲労という原因があるからなのです。

他には「心身面でもっとも充実していた時期はいつ頃で、その時の睡眠はどうだったか」ということも話題にします。

内山真『やってはいけない睡眠の習慣』(SB新書)
内山真『やってはいけない睡眠の習慣』(SB新書)

すると、大抵の人はその時の睡眠状況を覚えていません。充実している時、私たちは睡眠を意識しないのです。しかし、睡眠を意識しない生活が年単位で続けられたのでしたら、その人なりにバランスの取れた生活をしていたことになります。こういう話をして、睡眠を他の誰かではなく、ご自身の過去の睡眠と比べる考え方になってもらうことが重要です。

すると、睡眠の理想像を外に求めなくてもよくなります。もし外に理想像を求めたければ、客観的な数値としては7時間前後の睡眠だと長く生きられ、病気になることがもっとも少ないという研究結果が出ているというエビデンスは挙げられます。

しかし、この客観的に良しとされる睡眠と、自分の睡眠に対する満足感にはズレがあります。まずは、このことを知っていただきたいと思います。

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