人事権をもった“センター”として独立すべき
近大病院は、2025年3月に地域がん診療連携拠点病院に指定されている。そして2025年11月に、堺市泉ヶ丘の新病院に移転した。
前出の中川は新病院が、がん相談支援センター及びがんセンターを大きく前に進めるきっかけになると信じている。
「これまではがんセンターという名称でしたが、(がんに関わる)部署がばらばらの場所にあった。いわばバーチャルながんセンターでした。それが新病院になってまとまるようになった」
中川の理想はさらに高い。
「アメリカのMDアンダーソンがんセンターのように各診療科と連携した上で、人事権をもった“センター”として独立すべき。これは日本の医療の仕組みとも関係しているので近大だけではできない」
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターは、テキサス州ヒューストンのテキサス医療センター内に1941年に設立された、がんの治療、研究、予防を専門とする、世界屈指のがんセンターである。
「腫瘍内科がある近大は、この理想を実現できる可能性がある」
次の世代には、さらに期待しているんですよと、中川は遠くを見た。
(撮影=奥田真也 取材・文=田崎健太)

