物欲を意欲に結びつける

若いうちは、欲しいものがたくさんあります。マイホームや車、時計、家電、家具、洋服、バッグ、靴など、一つ手に入れたら、次はこれ、次はこれと、欲しいものが際限なく出てくるのではないかと推察します。

このように、いろんなものを欲しがること自体は、それほど悪いことではありません。

「がんばって年収を上げて、これを買おう」
「これを買って、その高級ブランドにふさわしい人物になろう」

といった具合に、何らかの「意欲」に結びついている――いいかえれば、自分の成長や能力の向上を目指すためのモチベーションになる物欲なら、大いに持つべきです。

物欲と意欲の間に「物欲により意欲に火をつける、あるいは逆に、意欲により物欲がかき立てられる」というつながりをつくるのは、「望ましい執着の仕方」の一つです。

家と車を夢見る女性
写真=iStock.com/baona
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なぜ物を欲しがるのか、が問題

では、「よくない物欲」とは、どういうものでしょうか。それは、「見栄を張る」ための物欲です。

なぜなら、虚栄心から「あれも欲しい、これも欲しい」となると、いつまで経っても心が満足しないからです。欲しい物が手に入った次の瞬間にはもう、新しい物に目が行って、満足感がたちまち渇望感に変じてしまいます。

これは非常に不幸なこと。物への執着が苦しみを生む典型例です。

倶会一処。あの世に物を持っていけないことをお忘れなく。