投資信託の落とし穴と資産分散の重要性
景気動向と関連性の高い景気敏感株は売られ、景気に左右されにくく業績が安定している食料品や電気・ガスなどのディフェンシブ銘柄が買われているようです。
「新NISAだし、積立投資だし、一時的な下落は気にしない」という人もいるでしょう。ただ、10~20年後に資金がまとまった金額になった場合にも、同じような気持ちでいられるでしょうか。
人は得られる喜びよりも、失う痛みを避けたい傾向にあると言われます。行動経済学における損失回避性と呼ばれる現象です。
新NISAで毎月2万円積み立てて、2024年1月から30カ月弱。投資額は60万円で、時価評価は100万円に満たないです。100万円の資産がひと月で5万~7万円減るのは許容できても、1000万円の資産が50万~70万円評価が下がったらどんな気持ちになるでしょうか。
長期投資とはいえ、投資資金を使いたい時期に価格が下がっていたら、あなたならどうしますか、気にせずに売却しますか?
このような極端な選択を迫られないようにするにはどうすればいいのでしょう。それが資産分散という考え方です。
資産分散という言葉は聞き馴染みのない人もいるでしょう。投資信託に投資しているから資産は分散されているはず、と考えている人もいるかもしれません。実は、投資信託は銘柄分散であり、資産分散ができない投資信託がほとんどです。
全世界株でも防げない暴落の正体
例えば全世界株式指数に連動するインデックス投資信託の場合、2000以上の株式に投資することになります。2000を超える投資対象に分散投資できているわけです。ただ、これは投資資産の種類はすべて株式となり、2000以上の会社に銘柄を分散して投資しているだけです。
銘柄分散は特定の会社の業績が悪化したり、倒産したとしてもその他2000を超える企業は存続するかもしれません。ただ、今般のイラン情勢のように株式市場から資金が流出する局面では、多くの株式で値段が下がるでしょう。そのため、投資信託を買うだけでは本当の意味でのリスク回避はできておらず、株式市場の下落リスクが残ります。これを「システマティックリスク」と言います。
対して、本当の意味での資産分散は考え方が異なります。株式とは値動きの原因や理由が異なる資産を同時に保有します。すると、リスクオフの際に、株価が下がっても、債券に資金が集まったり不動産や金(ゴールド)に資金が集まってくるかもしれません。
株式とは値動きの傾向の異なる資産(ここでは債券や金)などに投資することで、投資資金全体の価格変動を抑えることができます。このような状態を期待するための投資の考え方が資産分散です。

