心臓カテーテルは名医に限る

造影剤の使用に関して、CTやMRIの撮影よりも心配なのが、心臓カテーテルなどの医療処置です。

心臓カテーテルでは、細い管を太ももの付け根や腕などの血管に挿入し、造影剤を流して画面に映る様子を見ながら血管内の治療を行ないます。

腕のいい医師なら短時間ですむため、使う造影剤も少量ですみます。

しかし、ぐずぐずしていると、どうしても造影剤をたくさん使うことになり、腎臓にかなりの悪影響を与えます。

私のクリニックにも、ほかの医療機関で造影剤を使った治療を受けたとたん、それまで30くらいでとどまっていた尿アルブミン値が、一気に2000を超えた患者さんがいました。

早く気づいて薬で治療したため大事には至りませんでしたが、そのまま放置していたら大変なことになっていたはずです。

危ないことに、こうした造影剤の腎機能への影響は、すぐに目に見える形で現れません。使用の前とあとに尿アルブミンを測定していなければ、わからないケースがほとんどです。

そのため、医師は自分の治療によって患者さんが腎臓を悪くしているとは夢にも思わず、それを続けてしまうのです。

解熱鎮痛剤の服用、1週間以上は危険

「薬剤性腎障害」という言葉があるように、腎臓に悪影響を与える薬が多く存在します。なかでも、気づかずに服用してしまいがちなのが、ロキソニン、ボルタレン、インダシンなどの解熱鎮痛剤です。

これらは、「エヌセイズ(NSAIDs=Non-Steroidal-Anti Inflammatory Drugs)」と呼ばれ、高熱が出たときや、痛みが強いときに、よく処方されます。

風邪薬とサージカルマスク
写真=iStock.com/years
※写真はイメージです

非常に多くの種類の薬剤が出回っていて、ドラッグストアで手に入るものもあり、たいていの人が気軽に使っているはずです。

たしかに、エヌセイズは解熱鎮痛効果に優れているのですが、これらの薬は思いのほか腎臓を悪くします。

そして、そのことを知らない医療関係者が多いのです。