逆に、なぜ日本人は列に並べるのか

逆に言えば、なぜ日本人は並べるのでしょうか。社会心理学者で北海道大学名誉教授の山岸俊男氏の研究は、これを「制度的信頼」の差であると説明します。

私たちが並ぶのは、隣の人を愛しているからではありません。「電車は必ず来るし、全員乗れる」という資源の安定性。「割り込んだら駅員や周囲に注意される」という周囲の目。この2つがあるからです。これを「安心社会」と呼びます。

私たちは「並んでも損をしない」という特権的な環境にいるからこそ、余裕を持って並べるのです。もし明日、日本が大災害に見舞われ、水が100人に1人分しか行き渡らない状況になったら、私たちもまた、生き残るために「列を乱す側」に回るかもしれません。