経営する居酒屋で亡くなった男性
独居の患者さんといっても、過去にも本当にいろんな方がいました。ある50代の独身男性は、居酒屋をやっていて、自宅は店から歩いて5分ぐらいのところにあるマンションの一室でした。でも、退院に備えてマンションに行ってみると、生活の気配が全然ない。住む部屋はちゃんとあるのに、彼は仕事場である居酒屋に住んでいたんです。それで、結局、居酒屋の畳のところに、ベッドではなくマットだけを入れた。彼は退院してきて店のことをやりながら、最期の日々を居酒屋で過ごしました。そして、居酒屋……彼の城で亡くなりました。
そのときのように、一人暮らしの方はたいてい、在宅ケアのスタッフが朝に訪問すると亡くなっているという形です。
「孤独死」の悲しいイメージ
「孤独死」というネガティブなイメージが強いのは、メディアの伝え方もよくないのではないでしょうか。有名な俳優さんなどが自宅で亡くなった時、発覚が死後何日か経っていたからといって、それを「孤独死」と断じて報じるのは失礼だと思います。家にいて一人で立派に亡くなったのですから、「孤高死」と呼ぶべきですよね。
一人で亡くなっていった方は、身寄りがない「天涯孤独型」、子どもとの同居を拒む「孤高型」、身内や友人が通う「支援型」などさまざまですが、いずれにしても尊敬すべき「孤高死」だと思います。

