週刊新潮は「女性天皇の実現は可能」
そして新潮である。
新潮は高市首相の「言行不一致」を詰っている。というのも、高市首相は過去に「私は、女性天皇には反対していません」(文藝春秋2022年1月号)と、女性天皇を容認する発言を繰り返してきたからだ。
新潮は幾多の例を挙げながら、女性天皇の実現は可能だと説く。現行の皇室典範は1947年に施行されたが、それより前の旧典範が制定されたのは1889年。明治に入ってからのもので、それ以前に「皇位は皇統に属する男系の男子」という規定はなかった。
旧典範が制定された頃は、「明治維新で国際社会に仲間入りした日本が、独立を維持するため軍事的にも強い近代国家を目指し、男性中心の社会構造」(所功京都産業大学名誉教授)だったからで、今とは全く違っていた。
さらに、1954年、岸信介元首相が自由党憲法調査会長当時に取りまとめた「日本国憲法改正案要綱」には「皇室典範を改正し、女子の天皇を認める」と明記していた。中曽根康弘元首相も議員時代、同様の主張を繰り返していた。小泉純一郎元首相に至っては首相時代、女系・女性天皇も容認する典範改正に着手していたのである。
高市首相がウルトラ保守を自認するなら、自民党の戦後史も勉強すべきだと新潮は叱りつける。
「男系男子による継承は限界」
高市首相は、「国論を二分する政策を推し進めるのが私の政権だ」というようなことをよくいう。
憲法改正、防衛装備移転三原則の緩和、スパイ防止法制定など、強引に進めれば国を二つに割ってしまうほどの重要な問題を、与党が過半数を占めるからといって、やっていいはずはない。
しかも、愛子天皇を7割から8割の国民が望んでいることは、各メディアの世論調査を見ても明らかである。
国論を二分する問題を、自分勝手に推し進めようとしている高市首相は、なぜ、国論がほぼ一致している愛子天皇を退けて顧みないのか。その理由を国民に分かりやすく説明する義務が、高市首相にはあるはずだ。
平成の天皇陛下(上皇)の生前退位に、有識者の立場で関わった御厨貴東京大名誉教授は、朝日新聞(デジタル版26年4月5日 11時30分)で、明治期に明文化された「男系男子による皇位継承」という大原則をこれからも続けていくことは困難だと語っている。
《「この制度下で、男系男子による継承を続けていくのはおのずから限界があると思います。皇位継承者が妃を迎え、子を授かり、かつその子が男子でなければならないということを永続させるのは、針に糸を通すようなものだと考えるからです」
――仕組みそのものが、安定的な皇位継承を難しくしているということでしょうか。
「はい、構造的な欠陥があるなかで、皇統をつないできたのが現代の皇室です。さまざまなプレッシャーや、批判にさらされつつも、生身の人間の努力でカバーしてきたことを考えると、対応を急がなくてはなりません」》

