新商品「晴れ風」が爆売れしたワケ

当時の磯崎功典社長(現・会長)は、将来的に同事業で5000億円の売上収益を目指すという高い目標を掲げ、「私が今退いたら、この火は消える可能性がある」と強い覚悟を語っています。そして、このヘルスサイエンス事業の成長のために、2019年には健康食品大手ファンケルと資本業務提携し、2025年には完全子会社化へと踏み切りました。

山川清弘『教養としての 三菱・三井・住友』(飛鳥新社)
山川清弘『教養としての 三菱・三井・住友』(飛鳥新社)

これは、「内脂サポート」などの有力ブランドや、オーストラリアのブラックモアズ社とのシナジーを生み出し、アジア太平洋地域で最大級のヘルスサイエンス・カンパニーを目指すための最重要戦略です。しかし、キリンHDの拡大は医療分野のみに留まりません。

2024年4月には、17年ぶりのスタンダードビール「晴れ風」を発売。これは、「一番搾り」とは違う飲み方をするビールを開発したいという戦略のもと、酸味や苦みを抑え、飲みやすさに振り切った商品でした。

「晴れ風」は発売1週間で100万ケースという驚異的な売上を達成しました。さらに2025年10月には、「晴れ風」に続く新たな次世代ビール、「キリングッドエール」を発売。ブランドリーダーに人気バンド・Mrs. GREEN APPLEの大森元貴氏が就任するなど、若者のビール離れを引き留める新しい戦略が、今後どうなるか注目です。

ビールで乾杯する友人のグループ
写真=iStock.com/Nicolas Micolani
※写真はイメージです
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