●女性“重用”で好業績に!
折れ線グラフをご覧いただきたい。グラフ上は、東証一部上場企業について08年から現在にいたるまでのトータルリターンの結果。TOPIX(東証株価指数・黒線)がマイナス11.11%なのに対し、「女性取締役が1人以上」の企業はプラス23.83%だった。その差は35ポイント近くになっている。
「ポイントは、08年末のリーマン・ショック以降、全体に株価低迷が続いたものの、女性取締役が1人以上の企業はその下落幅がTOPIXに比べ小さかったこと。そして、昨年末からのアベノミクス以降の上昇幅がとても大きかったことです」(黒崎氏)
女性取締役が1人以上の企業の好業績の要因は、その企業の属する業種の景況や、マクロ経済の動きなど複数あるが、「女性活用度」がより重要なファクターになりつつある、と黒崎氏は言う。
この傾向は日本だけのことかと思えば、さにあらず。世界23カ国の、同じく08年からの業績の推移を見ると、やはり女性取締役が1人以上の企業は全体の平均より10%以上高い結果になっている。08年からの日本と世界のリターンを比べると、日本のほうが結果的により女性活用の効果が出たということになるだろう。要は、データ上では、女性の積極登用は男性社員にとって棚ボタ的なうまみがあるとも言えるのかもしれない。