昔の友人が各分野のスペシャリストに

日々の暮らしを安心して送るうえで、「自助」「公助」「共助」の3つが大切になると言われます。特にこれからの老後では、地域や近隣で互いに助け合う「共助」の重要性が大きくなるでしょう。

その意味で、学生時代の仲間の存在は大きい。利害関係のない青春時代に、同じ空間、同じ時代を共有してきた友人は、何十年たっても昔の感覚のままつき合うことができる貴重な存在。まさに気の置けない仲間です。

しかも、社会で長年の経験を積んできていますから、それぞれの業種、職種でスペシャリストになっていることが多い。そういう人たちの助けが、還暦以降の人生では大きな力となるのです。

たとえば保険会社に勤めていた友人であれば、自分の入っている保険が適正かどうか、これから入るとしたらどんな保険が適切か相談できます。

意外にも、自分が加入している保険に関してしっかり把握していない人が多くいます。そんな状況で営業パーソンから保険の見直しなどをすすめられ、かえって損をしてしまうというケースが後を絶ちません。こんなとき、昔の友人に保険業界で働いていた人物などがいれば、こちらの側に立った親身なアドバイスをしてくれます。

あるいは不動産関連の仕事をしていた友人なら、持ち家の購入や売却に関して有利な情報を教えてくれるかもしれません。医者や弁護士がいればそれこそ心強い。いざというとき、同級生のよしみで優先的に相談に乗ってくれる可能性があります。

下手に異業種交流会などで人脈を広げるよりはるかに簡単に、強固なつながりを持つことができるのが昔の仲間、同窓なのです。

ビジネスマンに財務アドバイスを提供するシニアビジネスウーマン
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昔ながらの関係とはいえ、それぞれが自立した大人として、新しい関係を築く。特に学生のころは少し悪かったりした人物が、意外に社会に出て真面目に働いてひとかどの人物になっていたりする。

数十年を経てお互い成長した形で縁を再び結ぶことができるのは、人生の妙味、醍醐味と言えるのかもしれません。

「同好の士」は意外なところにいる

還暦後に雇用形態が変わり、週4日、あるいは3日勤務になる人もいます。会社にいなくてもいい時間が増えたら、その時間を使ってリタイア後につながる新たな人間関係を築くのもいいでしょう。

先の同窓会のつながりもそうですが、会社とは別の人間関係をつくる。そうした新しい人間関係をつくるきっかけになるのが趣味です。趣味のサークルなどに参加すれば、そこで新たな仲間をつくることができます。

勉強会のようなものもいいかもしれません。歴史や民俗などに興味があれば地域の歴史をテーマにした講演会や勉強会に参加してみる。そこで同好の人や講師などと知り合いになり、交流を深めることができれば、知識も増え、また仲間も増えるので一石二鳥です。

今、地方の各大学や自治体、図書館などでも市民講座のようなものを開いているところがたくさんあります。地方によっては地元の新聞社が大きな力を持っていて、独自の講座を開いているところもあります。土日を中心にプログラムされているものも多く、勤めている人でも参加しやすい。

地域のことを学ぶという意味では、ユネスコが認定するジオパークも面白い。地形から見たその土地の成り立ちから生活、文化までトータルで学ぶ講習があり、それらを学ぶと地域ガイドなどの資格がもらえるというシステムです。

参加者には引退したシルバー世代の人もいますが、20代、30代といった若い人もたくさんいて、講習会や勉強会に参加するだけでも刺激になります。