どうしても自分を褒められない人は
「自分には褒めどころがない」……そう考えて、褒めることができない人も多いです。これには「他人にやさしく自分に厳しく」が美徳とされている文化的な影響もあります。
対処法として、セルフコンパッションという心理的スキルが有効です。これは、友人や大切な人に接するのと同じやさしさや理解を、自分自身にも向けるという方法です。
落ち込んだり失敗したときには、自分を友人だと思って、名前を呼んでやさしい声をかけて褒めてあげましょう。
「○○さん、昇格試験には落ちてしまったけど、チャレンジした姿勢が何より素晴らしいですよ」
客観的に自分を眺めて、責めるのではなく受け入れることで、前向きさを取り戻しやすくなります。
――ブッダ
褒められたらどんな反応をすればいいか
褒めるスキルとは少しトピックが変わりますが、ここでは「褒められたときにどのような反応をしたらいいか」というテーマに触れてみたいと思います。
日本人は褒めるのが苦手といわれますが、褒められるのはもっと苦手かもしれません。謙遜の文化が根づいているため、素直に受け取れずに、「いえいえ、私なんか」「とんでもないです」「たまたまです」と否定してしまいがちです。
それどころか、何も言えずにただうつむいてしまう、自信なげに笑ってごまかす。そんな反応をしていないでしょうか? わたし自身もかつてはよくしていました。
褒め言葉は相手からの善意のプレゼントなので、上手に受け取ることができれば、コミュニケーションがより円滑になります。
ここでは、褒め言葉を前向きに受け止める3つのリアクションをご紹介します。
①褒めを広げる(感謝に変える)
褒められたとき、「いえいえ、そんな……」と否定せずに、「○○さんのおかげで」と誰かへの感謝に変えることで、褒めの輪を広げることができます。
「素晴らしい提案書類でした」と上司に褒められたときに、「チームメンバーがアイデアをたくさん出してくれたおかげです」と伝えると、自分だけでなく周囲にも承認が行き渡ります。これは謙遜ではなく、周囲との信頼関係を強化する行為で、本書『できるリーダーはどこを「ほめる」のか?』の29節でも触れた「褒めパス」です。周りに感謝を伝えることで、職場や家庭に「褒めの文化」が育ち始めます。

