そのうえで、実践した記録をノートに残したり、レポートにまとめたりして、次に同じ講師に会う機会がめぐってきたときに報告する。

「先生、これやっているんですよ」と、実際に成果を見せるのである。

すると、ほとんどの講師が「えっ、ほんとうに実践しているの?」と驚くそうだ。

逆説的な言い方をすれば、セミナーの講師が自分のノウハウを惜しみなく公開するのは、話を聞くだけで、ほんとうに実践できる人は数が少ないからだ。だからこそ、話を聞く側も、何度も聴講に通ってくれたりする。

そのようななかで、3カ月、半年といった期間、実際に検証してみて、その結果を報告にいくというのは、それだけで貴重だ。

そこから、「今度、お食事しましょう」「次は、ご招待しますから、またきてください」といったお声がけもいただくようになる。

ときには、「次のセミナーのときに、事例ということで紹介させてもらってもいいですか」と頼まれ、講師とのつき合いがはじまったりする。相手が同性の場合は、旅行に誘ってもらうというようなことも起きてくるのだ。

その笹川社長が、時間をつくって講演やセミナーに参加するのは、ふたつの目的からだという。

ひとつは、経営者としての自分の勉強のため。

もうひとつには、社員や周囲の人の代わりに話を聞いて、いいと思ったことを伝えたいからだ。つまり、周囲の人たちのためである。

それも、手当たり次第に参加するわけではなく、そのときどきで自分に必要な課題を意識して、講演会やセミナーを選ぶ。いつも、いまの自分にとって何が必要かという目的をもって、学びのアンテナを立てているのだ。

そのアンテナがあるからこそ、自分を引き上げてくれる人との出会いが生まれる。さらには、その出会いが、次の成長のための出会いを用意してくれるのだ。

【年収1億を生む黄金則】学びの目的をもつことで、成長のための出会いを生む。

(※『プロフェッショナル ミリオネア』(プレジデント社刊)第2章「学ぶ、人にあげてもらう」より)

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