今国会での実現を目指し、皇室典範の改正が検討されている。皇室史に詳しい島田裕巳さんは「有力な案として挙がっているのは、『旧宮家養子案』と『女性宮家の創設』だが、愛子内親王のためにも、女性宮家について早急に議論をまとめる必要がある」という――。
2026年1月2日、皇居で行われた新年一般参賀に、愛子内親王(右)と信子内親王がお出ましになり、楽し気に言葉を交わしていた
写真=AFP/時事通信フォト
2026年1月2日、皇居で行われた新年一般参賀に、愛子内親王(右)と信子内親王がお出ましになり、楽し気に言葉を交わしていた

皇族女性と結婚する男性は現れるのか

今国会では、皇位継承の安定化、皇族数の確保をめぐって議論が本格化する気配を見せている。

有力な案として挙がっているのは、旧宮家の男子を養子とするというものと、女性宮家の創設である。

女性宮家の場合、現在皇室の一員となっている内親王や女王が結婚することが前提になる。現在の皇室典範の規定では、結婚した女性皇族は皇室から去ることになっている。それを改め、結婚後にも皇室にとどまってもらおうということである。

仮にこの方向で皇室典範が改正され、女性宮家の創設が可能になったとき、本人の意思が尊重されるのが大前提である。ただ、皇室の女性はこれまで皇族としてさまざまな役割を果たし、そこにやりがいも見いだしているであろう。その点では、女性宮家の創設には積極的に応じるのではないだろうか。

議論になっているのは、配偶者や子どもを「皇族」とするかどうかである。

こうした改正がなされるのか否か、それが確定しない間は、独身の皇族女性も結婚に踏み切るのは難しいであろう。議論にも影響を与える可能性があるからである。

その点でも、早急に議論をまとめる必要があるが、果たして皇族女性と結婚する男性が現れるのかどうか、それは国民誰もが気になるところである。

しかもそこには、秋篠宮家の眞子元内親王の結婚のときの問題が影を落としている。それは本人たちの責任というわけではないのだが、皇族女性の結婚にまつわる難しさが露呈したことは間違いない。

眞子元内親王と愛子内親王の違い

今回は内親王の結婚に話を絞ることにするが、戦後に結婚した内親王は全部で5人である。ほかに、昭和天皇の第1子である成子しげこ内親王は戦時中に結婚していた。相手は、東久邇ひがしくに宮家の盛厚もりひろ王で、戦後に皇籍臣下している。

昭和天皇の娘としては祐子さちこ和子かずこ厚子あつこ貴子たかこの各氏がいるが、祐子内親王は夭折ようせつしている。和子内親王は摂関家出身の鷹司平通たかつかさとしみち氏と、厚子内親王は岡山県の旧藩主家の出である池田隆政たかまさ氏と、貴子内親王は薩摩藩主の出である島津久永ひさなが氏と結婚している。いずれも元華族の家である。

今上天皇の妹である清子さやこ内親王の結婚相手は黒田慶樹よしき氏である。黒田氏は学習院は出ているものの、旧華族の家ではなかった。ただし、祖父は旧華族から妻を迎えているし、その長女も旧華族の家に嫁いでいる。

眞子元内親王の結婚相手である小室圭氏の場合、そうした背景はない。まったくの一般人である。そこに、2人が結婚することのそもそもの難しさがあったのかもしれない。

眞子元内親王が、旧華族とはいっさい関係のない男性と結婚するにあたっては、学習院以外で子どもたちを学ばせる秋篠宮家の教育方針が大きく影響したことだろう。小室氏は、国際基督教大学における眞子元内親王の同級生だった。

そこでは、幼稚園から大学までずっと学習院の愛子内親王とは経てきたルートが根本的に違う。