30年以内の発生確率は「最大40%」
地震が起きるメカニズムは、東日本大震災と同じ。すなわち、日本海溝と千島海溝は、太平洋プレートが日本列島を乗せた北米プレートの下に沈み込む場所にある。こうした二枚のプレート境界面が一気にずれるとM9クラスの巨大地震が起き、同時に隆起した海底に沿って大津波が発生する。さらに日本海溝・千島海溝では二つのプレート境界面が接合しやすい性質があるため、地震の起こる頻度が高くなっている。
国の地震調査委員会は千島海溝沿いを震源とするM8.8以上の地震が30年以内に起きる確率を、最大40パーセントと見積もったが、今回の青森県東方沖地震によって、この大地震が誘発されることが危惧されている。
千島海溝と日本海溝の想定震源域やその周辺でM7以上の地震が発生し、その後新たに大きな地震が発生する可能性が平常時よりも相対的に高まったときに、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表される。2022年から運用が始まり、今回初めて発表された。
冬の北海道・東北で地震が発生すると…
北海道から東北北部の太平洋沖でM9クラスの巨大地震が起きると、震度7の強い揺れと最大で30メートル近い大津波が押し寄せる。また、北海道・襟裳岬の東方沖を震源域とした場合には、厚岸町で震度7、えりも町は震度6強の揺れに襲われる。特に、冬の深夜の地震発生で津波避難率が20パーセントと低い場合に、最大の被害が想定される。
その結果、日本海溝沿いの地震では犠牲者数が19万9000人、全壊・焼失棟数が22万棟となる。また千島海溝沿いの地震では犠牲者数が10万人、全壊・焼失棟数が8万4000棟となる。いずれも東日本大震災による死者数や経済的被害を大幅に超える甚大なものだ(拙書『M9地震に備えよ』PHP新書刊を参照)。


