津波の犠牲者を8割減らす方法

こうした犠牲者のほとんどは津波によるものである。北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の7道県182市町村が津波被害を警戒する対象地域になっている。実際には津波による浸水深が30センチメートルを超えると犠牲者が出るため、人的被害を減らすには早期の避難しかない。

「日本海溝・千島海溝地震」の津波想定
「日本海溝・千島海溝地震」の津波想定(内閣府防災ホームページより)

被害を減らすための「減災」と言っても、一般の人にはピンと来ないと思うが、具体的には、津波避難タワーの整備や、避難を12分以内に始めるという早期避難によって、犠牲者数の8割を減らすことができる。津波避難タワーを作るだけでは家屋流出は減らせないので、家屋被害を減らすには高台移転を促進する必要もある。

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北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の対象となっている182市町村にお住まいの方は、注意報から1週間程度は地震や津波に備え、すぐに避難できる態勢を心がけてほしい。

特に寒い時期は防寒が第一である。避難グッズは枕元に置き、暖かい服や使い捨てカイロなど防寒用具が用意されているかを確認しておこう。寝るときにも、すぐ逃げられる服装で寝る、子どもや高齢者と同じ部屋で過ごすことも重要だ。もし注意報が取り消されても、安全になったわけではないことを心してほしい。

これは、日本海溝・千島海溝地震に限った話ではなく、南海トラフ巨大地震でも同様だ。日本全国、地震が起こらない場所はないと言っていい。最新の地震学でもいつどこで地震が発生するかの短期予知は不可能であるから、想定される震災に対して備えを急ぐ必要がある。

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