トランプはプーチンに憧れているのか
――勝った方が負けた方の領地を治める。同盟関係があったとしてもそれはそれで、時期が来れば破棄して隣国に攻め込む。まさに戦国時代ですね。
【池田】その意味で言えば、プーチンは突然、豹変して暴挙に出たのではなく、外交と軍事力のどちらの使いどころかをその時々、考えて選択しているだけなのでしょう。
プーチンに限らず、ロシア人は基本的にこちらが強く出れば話を聞いてくれます。下手に出て「何とかなりませんか?」という感じで行くと、軽視されてしまう。何らかの妥協に持ち込むにしても、「こちらの立場は譲りません」という姿勢を取った上でないと、妥協さえもできなくなります。
――となると、トランプ大統領的なコミュニケーションはロシアの人にとってはしっくりくるんでしょうか。
【池田】そうですね。彼自身がプーチンのような立場や振る舞いに憧れている面があるのかもしれませんし、すでにプーチン以上の「世界の大問題」になっている部分がありますが……。
トランプが大きなファクターになっているからこそ、トランプとプーチンが組んでウクライナ戦争を無理にでも終わらせるというのが、一つの現実的な方向としてはあり得るのでしょう。
ただし、仮にクリミアと東部ウクライナをロシアのものとした場合でも、数年後にはまたロシアがウクライナに対して何らかの力を及ぼすために戦争を始めるという懸念はぬぐえません。
次のロシアの指導者
【池田】今後、ロシアの体制転換が起きてプーチン体制が崩壊し、もう少し西側の話を聞こうという人が権力を取るというパターンも考えられますが、可能性はかなり低い。
あるいはプーチンが寿命を迎えて戦争が終わることはあり得るかもしれません。朝鮮戦争が、スターリンが死んだことでひとまず終わったというケースと同様です。
ただし、ロシアではプーチンと同じような価値観を持つ有能な若手が育ってきています。もちろん、うまく立ち回るために西側との交渉を考えることもあるでしょうが、基本的にはやはり「力がすべて」という価値観を持っている点ではプーチンと同じです。

