転職しても大して環境が変わらない理由

つまり、「自分は何がやりたいのか?」「何を大切にして働きたいのか」がわかっていないまま、「この会社にずっといてはダメだ」「キャリアアップのためには転職したほうがいい」といった理由で転職しているのです。

安斎勇樹『静かな時間の使い方 自分の解像度を上げる「独りの思索」の全技法』(朝日新聞出版)
安斎勇樹『静かな時間の使い方 自分の解像度を上げる「独りの思索」の全技法』(朝日新聞出版)

近年、面接で「なぜうちの会社を希望するのですか?」「うちの会社に入ったら何やりたいですか?」と聞かれても、うまく言語化できないので、適当なことを答えてしまう人が増えているそうです。結果、前職と同じような業務が割り当てられる。それが採用現場の問題にもなっています。

これはある意味、しかたないところもあります。ウイルスが蔓延したり、生成AIが仕事のあり方を変えたり、働き方のバリエーションが増えたり、外部環境が目まぐるしく変化しているからです。外部環境の変化が激しいと、人はみずからの内側に向き合いにくくなります。外側の変化にふり落とされないことだけで手いっぱいになり、感情や欲望が鈍くなってしまうのです。

私はこれを、「1億総リフレクション不足時代」だと感じています。一生懸命、船を漕いでいるけれど、どこへ向かっているのかよくわかっていない。自分のことをよくわからないまま、変化の激しい時代をサバイブしている。いまはそんな時代です。

だからこそ、「自分は何を大事にしているのか?」「自分はどういう欲望を持っているのか?」をしっかり言語化する。これを、日ごろからストレッチのようにやっておく。それが、この激動の時代を乗りこなすための指針になります。

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