一時金と年金の合わせ技で節税
②退職金は一時金受け取りを優先→百数十万円手取り増
実際にシミュレーションしてみましょう。
【条件】※2025年度で試算
・東京都文京区在住、38年間勤続で退職金は2000万円
・60歳から64歳まで元の勤め先に再雇用され年収300万円。協会けんぽに加入
・年金(退職年金)は10年間で受け取る(予定利率1.5%)
・公的年金は年180万円
・所得控除は基礎控除、社会保険料控除、所得金額調整控除のみ
この条件のとき、
① 2000万円を一時金で受け取った場合
② 2000万円を年金で受け取った場合
③ 1000万円を一時金、1000万円を年金で受け取った場合
以上の3パターンの手取りの合計金額は、図表3の通りです。
額面合計が最も多いのは「② 年金で受け取り」。まだ受け取っていない年金が会社の運用によって増えるためです。
しかし、手取り合計が最も多いのは「① 一時金で受け取り」になっています。その理由は、「退職所得控除」と「2分の1課税」があること、社会保険料がかからないことです。したがって、
・「退職金が退職所得控除より少ない・少しオーバーする」……一時金
・「退職金が退職所得控除よりかなり多い」……退職所得控除の分は一時金、残りは年金
このようにすると、税金を減らし、手取りを増やすことができます。
以上は、手取り面から見た受け取りの考え方ですが、あえて年金で受け取ったほうがいい人もいます。それは、無駄遣いしてしまいそうな人です。
退職金は、多くの人にとって、これまで手にしたことのない大きな金額です。まとまった額のお金を手にしたことで気が大きくなり、大きな買い物をしたり、これまでしたことのない投資をいきなり始めたりして、お金を失ってしまいがちなのです。
また、年金で受け取ると、税金や社会保険料はかかってしまいますが、毎年安定的に受け取れるので管理がしやすく、無駄遣いも減らせるでしょう。




