「人間の仕事」はどんどん削られていく

AIの普及でホワイトカラーの仕事がなくなっていく――。

そんな悲鳴があちこちから聞こえてくる。でも、ブルーカラーの領域においても、実は普通に、AIに仕事が奪われている。たとえば、汗と土にまみれて自然と格闘する農業従事者がいい例だろう。

これまで、大規模農場で農作物を大量生産するには、アメリカのような広大な土地を持つ国でないと成り立たないと言われていた。

だだっ広い農地に大型播種機で種をまき、空からプロペラ機で農薬や肥料を降らせ、巨大なコンバインを総動員して収穫する世界だ。

でも、AIを使うことで、ある程度のサイズの土地でも、最適化して機械を動かせばそれなりの収穫量が期待できるところまで生産性は向上した。その結果、就業人口が減っても十分成り立つようになったのだ。

人間がやらなくていい領域が今後ますます拡がっていく。人間の仕事はどんどん削られていく。

AI中心の社会になるということは、結局のところ、コスパ至上主義がまかり通ることにほかならない。「人間をいかに切り捨てられるか」が主題になる社会がもう来ている。

ひろゆき氏
提供=徳間書店

カネ貸し、娼婦、占い師は生き残る

そして、もっと露骨に「絶対になくならない」と言い切れる仕事もある。

有史以来、もっとも古くからあるカネ貸しや娼婦の仕事だ。おそらく、泥棒や占い師も淘汰されることはないだろう。

泥棒は別だが、職業に貴賤はないと僕は思っている。こういった仕事は科学技術がいくら進化しようが形を変えて残るはずだ。

なぜか。

人間の「欲望」と「不安」を相手にしているからである。

僕はここで善悪の話をしたいわけではない。「必要かどうか」「役に立つかどうか」とは別のレイヤーで、欲望と不安はいつの時代も払拭されることはない。だから、人間の欲望や不安が尽きない以上、市場として存続し続けるという推測だ。