「弁護士として許していいのか」という憤り

当時、人気タレント弁護士だった元大阪府知事の橋下徹氏は、この差戻控訴審の3日後に放送されたTVバラエティ番組『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)に出演した際、弁護団に対して怒りをぶちまけました。

「死体をよみがえらすためにその姦淫したとかね、それから赤ちゃん、子どもに対しては、あやすために首にちょうちょ結びをやったということを、堂々と21人のその資格を持った大人が主張すること、これはねぇ、弁護士として許していいのか」
「明らかに今回は、あの21人というか、あの安田っていう弁護士が中心になって、そういう主張を組み立てたとしか考えられない」

などと発言した上で、弁護団に対して懲戒請求を行うよう視聴者に呼びかけたのです。

「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけてもらいたいんですよ」
「懲戒請求ってのは誰でも彼でも簡単に弁護士会に行って懲戒請求を立てれますんで、何万何十万っていう形であの21人の弁護士の懲戒請求を立ててもらいたいんですよ」
「懲戒請求を1万2万とか10万とか、この番組見てる人が、一斉に弁護士会に行って懲戒請求かけてくださったらですね、弁護士会のほうとしても処分出さないわけにはいかないですよ」

約8000通の懲戒請求書が殺到した

弁護士が職務遂行するにあたっては、法律や弁護士会の会則などに違反し、その品位を失うべき非行があった場合は懲戒されることが、弁護士法の第五十六条に規定されています。

第五十六条(懲戒事由及び懲戒権者)
弁護士及び弁護士法人は、この法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。

橋下氏のこの呼びかけで、弁護士会には約8000通もの懲戒請求書が殺到しました。これは前年度に全弁護士会に届いた懲戒請求総数の6倍以上だったとのことです。