性に対する興味は抑圧しなくていい
日本のシニア男性が元気を失ってしまう隠れた原因に、性に対する罪悪感があります。女性に対して心が動いたり、性的な欲求を感じたりしても、「いい年なのに色気づいて」「年甲斐もなく」などという世間の定型句を思い出し、自分で自分を律してしまう方が非常に多いのです。
しかし、医学的な見地からいえば、これは非常にもったいない。むしろ、異性への興味を失わないことこそが、長生きと活力の源泉だからです。
たとえば、きれいな女性を見て「いいな」と思ったり、ときにはエロティックな動画を見たりすることを不謹慎だと思わないでください。こうした性的な刺激は脳を強力に活性化させて、男性ホルモン(テストステロン)の分泌を促します。
実際、射精をしない人は前立腺がんのリスクが高まるという研究データもあります。性に対する興味を持ち続けるのは生物として当たり前のことで、心身の若さを保つための特効薬なのです。
歴史を見ても、いわゆる「スケベ」な人のほうがだいたい長生きで元気です。
たとえば新一万円札の顔となった渋沢栄一。彼は幕末から明治・大正・昭和を91歳まで生き抜きましたが、68歳で子どもをつくっています。
最後までめかけが10人近くいたともいわれており、同時に死ぬまで現役の事業家として日本経済を牽引し続けました。
「英雄色を好む」といいますが、どちらが先かといえば、やはり男性ホルモンが多いからこそ色気もあり、仕事への意欲もわいてくるのです。
心のときめきが食欲を呼び覚ます
「最近、どうも食欲がわかない」と感じている場合、もしかしたら胃腸の問題ではなく、心のときめきが不足しているのかもしれません。
医学的に見ると、食欲と性欲、そして生きる意欲は、脳の非常に近い場所でコントロールされています。ですから、何かにときめくことや興奮することは、ダイレクトに食欲を刺激するのです。
老人ホームでも、ヨボヨボだったおじいさんに気に入った異性ができると急に身なりを気にし始め、ご飯をしっかり食べるようになり、肌にツヤが出るということはよくあります。
「いい年をして」なんて思う必要はありません。アイドルを応援する「推し活」でも、行きつけの店で店員さんと会話するのでも、心がウキウキすることを見つけてください。そのときめきがあなたの胃袋を動かしてくれるのです。

