「精がつく食べ物」は医学的に正しい

では、どうすれば男性ホルモンを維持し、ツヤを維持できるのか。ここで再び、ちょいデブの優位性が登場します。男性ホルモンを増やすために絶対に必要な材料、それがコレステロールです。

コレステロールを悪者にして肉を避け、粗食を続けていると、テストステロンをつくるための材料が入ってきません。これでは、どんなに気力を振り絞ろうとしても、燃料切れの車と同じようになってしまうのです。

しっかり食べて、少し小太りくらいの人のほうが精力的に見えるのは、体内にホルモンの材料が備蓄されているからです。

もう一つ、重要な栄養素が亜鉛です。亜鉛はテストステロンを活性化させ、筋肉や骨をつくる働きがあります。これが不足すると、味覚障害や貧血だけでなく、抜け毛、免疫力低下、そして認知機能の低下まで招きます。

亜鉛を多く含む食材といえば牡蠣、うなぎ、レバー、赤身肉、カシューナッツなどです。昔から精がつくといわれてきたこれらの食べ物は、迷信でも何でもなく、男性ホルモンをチャージするという意味で、極めて医学的に正しい「先人の知恵」だったのです。

焼きたてのレバー
写真=iStock.com/taka4332
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ホルモン補充という選択肢もある

食事や生活習慣を変えても、「どうもやる気が出ない」「筋肉が落ちてきた」という場合、医学の力を借りるのも一つの手です。

泌尿器科などで検査して男性ホルモンの値が基準より低ければ、保険適用でホルモン補充療法(注射)を受けることができます。

日本の医療はマイナスをゼロにする(病気を治す)ことには熱心ですが、「ゼロをプラスにする(より元気にする)」という発想が弱い傾向にあります。

「もう年だから仕方ない」と諦める医者もいますが、私はそうは考えません。栄養状態を少しよくして、不足しているホルモンを補充してあげるだけで、見違えるように元気になる人もいます。うつ状態が改善したり、認知症だと思っていた物忘れが治ったりするのもよくある光景です。

足りないものを補うのは、けっして恥ずかしいことではありません。栄養、運動、そしてときには医学の力も借りてホルモンを補充し、貪欲に元気を追求する。それが、65歳からの戦略的な生き方なのです。