まずは「形から」でいい

普段の人間関係からフラットにするためには、形から入ることも必要で、それを徹底してやるのは結構なコストになります。会社の上から下まで、一気に同じ意識に持っていけるのか問われるのです。

ケン・ブランチャードは世界的に有名な研究者で、その本はベストセラーになりましたが、彼の言う通りに実行している経営者は本当に少ないです。

負担が大きいからです。そのため、私たちのフラットな組織文化はトレードオフを伴う活動として、競争力になっていると思います。

【図表1】トレードオフを伴う5つの活動
出所=『鉄人たちの仕事の哲学』(かんき出版)

「ピラミッド」と「フラット」は両立する

「フラットな組織文化」は理想的に聞こえるが、会社という組織は基本的には社長を筆頭にしたピラミッド型の組織だ。上司と部下では給料が違い、だからこそ上司は経験の浅い部下を導く。そのような会社という組織をフラットにすることは本当に可能なのだろうか。

【星野社長】まず、人事評価制度については、一人の上司が評価するだけではなくて、公平性を保つことが大事です。

人事評価の納得感を保つための仕組みは、会社の中で最も重要な仕組みだと思います。上司と部下の関係だけで決定するのではなくて、全体の仕組みの中で評価をすることが大事です。

私たちの会社も、ピラミッド型の組織になっています。これは何のためかというと、意思決定する人を明確にするための構造です。

ピラミッドの上部の人は、決める権利を持っています。フラットな議論をした上で、誰かが決めないと意思決定が遅れていくので、総支配人のように決める権利を持つ人がいる。そういう概念です。

【図表2】星野リゾートの組織イメージ
出所=『鉄人たちの仕事の哲学』(かんき出版)