家庭での会話が国語の読解力につながる

家庭力の重要性は、国語入試でも顕著だ。国語の物語文といえば、かつては自分と同じ歳の子と友達との関わりを題材にしたテーマが多かったが、近年は実にさまざまな場面設定の物語が題材として選ばれている。

先にも紹介した武蔵中では、自分を出産したときに脳出血で植物状態となってしまった母と、その娘の物語が起用された。とても繊細なストーリーを12歳の男子が理解するのは容易いことではない。国語といえば、かつてはテクニックで解けるものもあったが、それ以前に他者共感ができる成熟度がなければ歯が立たないだろう。

女子難関校の豊島岡女子学園では、飼っていた猫の死という深い悲しみから、主人公が立ち直っていくまでの物語が登場した。子供同士の世界だけではなかなか知ることができない心情表現が出てくる。こうした心の機微が理解できるようになるには、やはり日ごろから大人とどこまで深い話をしてきたかが大きい。