いつの時代も変わらない親たちの悩み
中学受験の指導にあたって、かれこれ40年以上が経つが、いつの時代も変わらない親たちの悩みが「わが子の成績が伸びない」というものだ。特に近年の相談事で多いのが、「塾の週テストでは点が取れているのに、範囲が広いテストになるとひどい成績をとってくる」というもの。「あんなにたくさん勉強したのに、すぐに忘れるって、どういうことでしょう? うちの子、記憶力が悪いのでしょうか?」、そんな嘆きを毎日のように聞いている。そして、いつも思う。どんな子でも勉強のやり方さえ変えれば、伸びていくのに、と。
中学受験で成績が伸び悩んでいる子の共通点は、塾から課せられる膨大なタスクをただ終わらせるだけの勉強になっていることだ。中学受験に塾は不可欠ではあるが、塾に言われるがまま、ただ知識を覚えて、問題を解くという勉強のやり方をしていると、いずれどこかで息切れするか、覚えては忘れ、覚えては忘れをくり返す、冒頭のような状態になる。
小1の時点で「勉強嫌い」
それに加えて昨今は、SNSの影響で、「うちの子はこれをやって御三家に合格した」「毎日○時間勉強した」などの情報が否応なしに入ってくる。すると、「うちの子の成績が上がらないのは、まだまだ勉強量が足りないからだ」「あの問題集をやっていないからだ」と思い込み、さらに勉強量を増やしてしまう。そうやって、自ら大変にしてしまっている。
そもそもそういう家庭は、中学受験の勉強が始まる以前の幼少期から、いろいろな勉強をやらせていたりする。しかし、そういう家庭で育った子は、小学1年生の時点ですでに勉強嫌いになっていることが多い。もしくは、幼い頃は素直に親の言うことを聞いていたものの、10歳を過ぎて思春期に差しかかる時期になると、反発心を見せるようになり、親の口が開けば、「ちっ、また勉強の話か」と不機嫌になる子もいる。このような状態になると、成績が伸びないばかりか、親子関係もギクシャクしてしまう。そして、中学受験が戦場化する。

