箱根駅伝の出場を狙うなら年間で1億円が必要?
では、新たに強化を始めた場合、箱根駅伝の出場はどれほど難しいのか。
箱根駅伝の出場を目指す大学の多くはここ12年間で9度の箱根駅伝騒動優勝をしている青山学院大を含め、10人ほどのスポーツ推薦枠を持っている。新興チームの場合は1学年で20人近くの選手をとることも珍しくない。実績のないチームに有力選手を勧誘するなら授業料免除だけでなく、奨学金の用意も必要になるだろう。
そして年間の強化費は数千万円という大学が多い。なかには1億円以上の予算を持っている大学もある。さらに40~50人を収容できる寮と全天候型の400mトラックなどを完備した場合は別途、数十億円のお金がかかると言われる。
さらに指導者も大切だ。ネームバリューがあり、理論的で情熱を持っているカリスマを招聘できるのか。とにかく高校生ランナーが魅力を感じる競技環境を作らないと、才能ある選手を集めることができず、チームビルディングがうまくいかない。
また数万人の学生を誇る総合大学と数千人の単科大学では売上高が違うため、駅伝の強化に影響している。
“甘い果実”を得るための険しい道
今年の箱根駅伝出場校で唯一、売上高が100億円に届かなかった中央学大の川崎勇二監督は、「私どもの大学は駅伝部にそれほど予算をかけられません。同規模の大学もありますが、(今後)本格的に参入するとなるとかなりの予算が必要になってくるでしょう。また綿密なビジョンを立てて、本気で取り組まないと、お金を出したものの、箱根駅伝に出場できないというケースになってしまうと思います」と小規模大学の難しさを語った。
その一方で、「我々も含めて生き残りをかけて強化している大学もあります。若者のテレビ離れが進んでいるとはいえ、箱根駅伝に出ることは宣伝効果として抜群なものがあります」と受験シーズンの直前に30%近い視聴率を叩き出す箱根駅伝のPR力を実感している。
学生数が数千人規模の大学にとって箱根駅伝の出場枠は“甘い果実”だが、それを獲得する道は険しいものになるのは確かだ。

