その後、毎月の給料の半分以上をローン返済に充て、3年以上にわたって支払いを続けてきた。ところが、ローンの初期は返済額の大半が利息に充てられる仕組みのため、元金は30万元(約700万円)強しか減っておらず、銀行への借金はいまだ約400万元(約8800万円)も残っている。
この住宅がいま売れる価格は300万元(約6600万円)。売却代金を全額返済に回しても、なお約100万元(約2200万円)の借金が残る。家族総出でかき集めた頭金180万元(約4000万円)と、3年間必死で払い続けたローン返済分のすべてが、消えてなくなった計算だ。
「負の資産」の終わりは見えない
不動産不況が直撃する今、多くの物件購入者が頭を抱えている。
英エコノミスト誌によると、金融大手UBSが2500人を対象に行った調査では、昨年4月時点で中国の回答者のほぼ半数が、保有する不動産で含み損を抱えていた。さらに、住宅の価値がローン残債を下回り、負の資産状態に陥るケースも増えている。
UBSのメイ・ヤン氏によると、こうした住宅は昨年末までに70万戸に達し、今年中に180万戸に膨らむ見通しだという。
2月2日で中国から消えた、IKEAの7つの大型店舗。閉店セールの家具には客が殺到したが、景気の良さを象徴するどころか、むしろ真逆の不動産危機を象徴していた。
値上がりを期待し、無理をして購入した不動産。今や「負の資産」となったローンの返済は、曲がれども終わりの見えないIKEAの通路よりも、ずっと長く続く。


