空き家軒数は通常の2倍以上

中国の国家統計局によると、2025年1〜7月の全国の住宅着工面積は前年同期比で約20%減った。それでも売り出し中の空き家は減るどころか増え続けている。ニューヨーク・タイムズは、上海市の経済メディア・第一財経のデータをもとに、空き家の数が過去平均の2倍以上に膨らんでいると報じた。

2023年12月7日、習近平中国共産党総書記が、中国・北京で欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエンと会談した
2023年12月7日、習近平中国共産党総書記が、中国・北京で欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエンと会談した(写真=Dati Bendo/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

7店舗の閉鎖後も、中国国内では34店舗が営業を続ける。しかし同社は、大型店から小型店へ軸足を移す方針を示した。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、今後2年間は北京と深圳を中心に、小型店舗を10店以上新設する計画だ。小型店を顧客との接点とし、主軸をネット販売に移す狙いがある。

日本では新宿・原宿の都市型店舗を2月8日をもって閉鎖し、IKEA本来のスタイルである倉庫型店舗を残すが、これとちょうど真逆の方針だ。

こうしてIKEAが本来のビジネススタイルの再考を迫られるほど、中国の不動産危機は深刻化している。

あるブロガーは、2021年に約700万元(約1億5700万円)で購入した住宅が、今では300万元(約6700万円)を切っても買い手がつかないと嘆く。ブロガーがこの失敗談を動画で投稿したところ、同じ境遇の人々から数百通ものメッセージが寄せられたという。「自分だけが不動産市場の罠にはまったわけではなかった」と安堵すると同時に、胸中は複雑だ。

退職金をつぎ込んだ物件が無用の長物に

彼女は中でも切実な声を取りあげ、米中国語週刊紙のビジョンタイムズがこれを掲載している。

最も痛切だったのは、ある中年男性の話だ。結婚する息子のためと退職金を全額つぎ込み、さらに20万元(約450万円)を借りて住宅を購入した。だが、息子の縁談は破談になり、虚しくも不要になった住宅には買い手がつかない。今は毎日2つの仕事を掛け持ちしている。

投稿前月の健康診断で高血圧と糖尿病が見つかったが、治療費を出す余裕は彼には残されていない。おそらくは息子の名義で住宅を購入しており、手続き上は息子がローンの名義人になっているのだろう。父親は、「息子の信用情報をブラックリスト入りさせないように、1銭でも多く返済に回さなければ」と語る。

別の女性は、頭金を工面するため実家の店舗まで売却した。ところが夫がリストラに遭い、ローンを3カ月滞納してしまう。銀行からの督促電話が朝から晩まで鳴り続けるという。損切り覚悟で売りに出したものの、2カ月経っても問い合わせすら来ない。

2021年に結婚した男性は、両家の貯蓄をすべてつぎ込んで新居を購入した。だが物件の価値は半値に下がり、毎月のローン返済額は家賃を上回る。昼は出前を配達し、夜は運転代行で返済資金を稼ぐ日々だ。子供を持つことも諦めたという。「妻との口論は必ず『なぜこの家を買ったのか』で終わる」と明かす。