免許返納前にやっておきたいこと

一方、免許返納を考えるシニアドライバーの多くは、返納後の日々の買い物や通勤に困ると考えているでしょう。大阪府警察では、返納を考えている高齢者に、一定期間運転しない生活をしてもらうユニークな取り組みをしています。一時的に運転をやめてみることで実際に直面する問題はどんなことか、家族や知人にどれだけサポートを頼めるのかなどがわかります。

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この他にも、運転記録をつけてどんなときに車を使うのか、そしてご自身がヒヤッとした経験があったかなどを可視化するのもいいでしょう。いきなりスパッとやめるのではなく、少しずつ運転しない生活に慣れていくのはいかがでしょうか。運転免許を返納すると、遠出するには公共交通機関や乗り合いタクシーなどがメインになります。自治体が移動方法を支援してくれる場合もあるので、必ず返納前に確認しましょう。

近場の買い物では、シニアカーを使う方もいますが、比較的、踏切での事故が多いので、踏切は極力通らないように注意しましょう。また、シニアカーであっても認知機能が衰えて操作を誤ってしまえば危険にさらされます。購入時にしっかりと相談をして、もし操作に不安がある場合は、公共交通機関や乗り合いタクシーを利用することを優先しましょう。

家族に免許返納をすすめられたら

家族から免許を返納するように言われた場合は、まずは家族がどうしてそう思うのか尋ねてみましょう。安全運転を心がけているつもりなのに、家族や親しい人から突然、返納を勧められると、驚いたりがっかりしたりする気持ちになって当然です。ただ、そういったアドバイスをもらったときは少し落ち着いて、話を聞いてみましょう。返納を勧める家族の心理には2つあります。

① シニアの事故の報道を見て、あなたを心配している。
② あなた自身の運転を見て、運転技術に不安を覚えている。

どちらにしても、運転するあなたを思っての言葉なので、煩わしく感じても一度は受け止めてみてください。そして、運転する車に同乗してもらって、どう思うか率直に意見を聞いてみましょう。下に内閣府が公表している運転行動チェックリストを載せました。ご自身と家族で定期的にチェックすることで、感情的にならず、客観的な判断ができます。