熱狂に包まれた「なっちゃん」の街頭演説
さて、地元の学会員が細貝支援に本気になっているという情報を検証すべく、筆者は2月6日、八王子駅周辺で行われた中道の街頭演説会を取材した。
登壇者をなるべく近くで見るために、19時の開始に合わせて18時20分頃に現地に到着したが、その時点で広場の6割ほどがすでに人で埋め尽くされており、会場中央から先へは進めないほどの盛況ぶりだった。最終的な参加者はおそらく1000人超ではないか。
特筆すべきは、集まっている聴衆の層だ。演説会の参加者は6~7割が20代から30代の若者で、そのうち7割程度が男性だった。50代以上の中高年層も見受けられたが、圧倒的に若者の姿が目立つ。
会場を観察していると、複数人の知り合い同士で参加している若者が多く、「お! 来てたんだ!」「お疲れさまです!」といった挨拶が各所で交わされていた。また、会場整理やビラ配りをしている20人ほどのスタッフも全員が若者だった。
取材した八王子在住の学会員によると、これらのスタッフは立憲側が集めたボランティアが中心で、意図的に若いスタッフを集めて配置していたという。やはり、大物政治家が対立候補なだけあって、立憲側もかなり気合が入っていることが伝わってくる。
演説が始まると、まず最初に元公明党衆議院議員の伊佐進一氏からあいさつがあり、伊佐氏からマイクを受け取った細貝候補の演説では「がんばれー!」や「そうだ!」という声が会場中で響いた。
そして、応援弁士として立った公明党の元代表・山口那津男氏がマイクを握ると、演説が始まる前から会場のあちこちで「なっちゃーん!」という野太い掛け声が響き渡り、会場の熱気は最高潮に達した。山口氏もそれに応えるように、冒頭で「なっちゃんです!」とひと言添えてから演説に入り、会場を沸かせた。若者たちから多くの歓声が上がり、コンサートのような一体感が生まれていた。
動員がなくてもイベントに結集
演説会終了後、会場を少し歩いてみると、聞き逃せない会話を耳にした。
「明日と明後日の唱題会は○○時からだから、よろしくね!」
「今日もおつかれさま! 明日の会合もよろしくね!」
「唱題会」とは、創価学会の信仰実践である「南無妙法蓮華経」の題目を、会館などに集まって複数人で唱える宗教的な行事のことだ。こうした専門用語を日常的に使い、翌日の予定を確認し合っている若者たちは、おそらく創価学会員だろう。
翌日、八王子在住の学会員と、八王子出身の学会員に、「こうしたイベントには上から動員がかかるものなのか」と尋ねてみた。すると、意外な答えが返ってきた。
「動員は特にかかってないみたいですね。ただ、八王子は創価大学もありますし、もともと学会員が多いうえに選挙慣れしている地域です。特に今回は負けられない戦いなので、演説会のようなイベントがあればわざわざ組織的に動員をかけてなくても自発的に集まれるんですよ。八王子ってそういうところなんです」
東京24区で目にしたこの光景こそが、おそらく本来の創価学会の選挙支援の姿なのだろう。


