通信事業者もカスタマイズしやすい
それにとどまらず、アンドロイドの場合には、サムスン電子のようなメーカーだけではなく、通信事業者が独自のカスタマイズを施し、サービスを入れ込んだ上で販売することもできます。ドコモの場合、販売するアンドロイドスマホの多くは、設定メニューにドコモのアカウントを登録したり、アプリをダウンロードしたりできる項目を用意しています。
カスタマイズのしやすさは、iPhoneと比べ、通信事業者のネットワークに最適化しやすいことも意味しています。4Gや5Gといった新しい通信方式が登場した際に、真っ先に対応したのもアンドロイドスマホでした。通信事業者自身が仕様策定に関与でき、最新技術を真っ先に搭載しやすいのは、水平分業型のビジネスモデルを採用している利点です。
その意味では、アンドロイドのほうがiPhoneと比べるとiモード以前の携帯電話に近いと言えるかもしれません。実際、日本で販売される端末の8〜9割は通信事業者が取り扱っているもので、各社ごとの仕様が取り入れられているのが一般的です。
もちろん、例外もあり、グーグル自身も「Pixel」シリーズという同社のブランドを冠したスマホを開発、販売しています。OSもアンドロイドですが、他のメーカーには提供されていないAI機能などを搭載しており、差別化を図っています。グーグルだけで完結しているという意味で、ビジネスモデルの構造はiPhoneと同じ垂直統合に近いと言えます。
1万円台から25万円超まで多彩な価格帯
また、アプリは基本的にグーグルの運営する「プレイストア」を通じて配信されます。OSの根幹となる仕様やサービスも、グーグルが開発を主導しています。そのため、通信事業者が開発をリードしていたiモードなどと比べると、やや垂直統合型に近いと言えます。実際、通信事業者のサービスもOSに組み込まれるものというよりも、アプリのひとつになっていきました。また、端末開発をメーカーが主導するようになった点も、iモードの頃との大きな違いと言えます。
水平分業であるがゆえに、アンドロイドのバリエーションは非常に多彩です。最近では、ディスプレイを折り曲げることでサイズを変更できるフォルダブルスマホの数が増えているほか、デジタルカメラとほぼ同じイメージセンサーを備え、カメラのような見た目の端末も登場しています。多数のメーカーが参画しているだけに、高機能モデルでは独自性をいかに打ち出せるかの競争になっています。
機能や性能だけでなく、価格のバリエーションが広いのが特徴。フォルダブルスマホの中には25万円を超えるような超高額端末が存在する一方で、機能をギリギリまで省いて1万円台で購入できるような格安端末まであります。こうした事情もあり、アンドロイドのほうが、ユーザーの幅も広くなっています。

