金が上がったのではなく、ドルが下がった
かつての金相場の展開を振り返ると、第1次、第2次世界大戦など世界情勢が急速に不安定化した局面で、価格上昇は鮮明化した。一部では、今、それに似た状況が出現しているとの指摘もある。
むしろ、金の価値は一定と考えた方が分かりやすい。金は物質として極めて安定している。酸化して錆びることはない。それだけ価値も安定している。だからこそ、人々が金に引きつけられる。紀元前1300年代に使われた、ツタンカーメンのマスクが今なお金色に輝いていることからわかる。
昔、主要な国の通貨発行量は、その国の金の保有量に紐づいた。価値が一定の金の保有量に従い、通貨を発行する。そうすることで、お金の価値を一定にしようとした。金価格の上昇は、金そのものの価値(わたしたちの生活に与える便益)が上昇しているわけではない。取引に使う主な通貨である米ドルの価値が下落したから、その逆に金価格が上がっている。
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