警官3人がかりで紀州犬1頭に13発
首相官邸ドローン落下事件で日本のセキュリティの後れを世界に曝してしまった後も、深刻な事態は続いた。
新聞ではベタ記事同然の扱いだったが、世界の治安機関、情報組織、そしてテロリストや犯罪者が注目したのは日本警察の銃器に関する知見の乏しさだった。
2015年9月15日付け読売新聞は次のように報じた。
「人を襲った紀州犬、警官3人が射殺…13発発砲
14日午前2時頃、千葉県松戸市日暮の路上で『女性が犬にかまれた』と、110番があった。松戸署員が駆けつけたところ、飼い主の男性(71)が犬に襲われており、署員3人が計13発を発砲し、犬を射殺した。
同署の発表によると、飼い主の男性と通行人のアルバイト女性(23)が犬にかまれ、いずれも左腕に軽傷。犬はオスの紀州犬で、体長1メートル22、重さ21キロだった。同署の浜元裕彦副署長は『犬を射殺しなければ、ほかにも被害者が出ていた可能性が極めて高い。拳銃の使用は、現時点では適切かつ妥当と考えている』とコメントした。現場は、新京成電鉄みのり台駅から約300メートルの住宅街」
この記事だけでは何発が紀州犬に当たったのか、つまり、何発が外れたのかなど、ディテールは不明だが、9月15日のフジテレビ系のニュースでは警察への取材をもとに「6発から8発が犬に命中」と報じている。
そんな射撃能力でテロリストと戦えるのか
どのくらいの距離で撃ったのかわからないが、要するに13発のうち5発から7発が外れたということだ。フジテレビ系の報道では、2発の跳弾が出て、近くの住宅とエアコンの室外機に当たったという。住民に被害が出なくてよかったと胸をなで下ろしたのは、私だけではないだろう。
そこで、なぜ紀州犬射殺事件がテロ対策に結びつくのかということだが、まず3人の警察官が13発も撃って6~8発しか命中させられなかったという、日本の警察官の射撃に関する技量の低さが浮き彫りになったからだ。
松戸警察署の3人の警察官の技量は、おそらく日本の警察官の平均的な技量と考えてよい。このレベルの警察官が、大規模イベントなどの雑踏の中でテロリストと銃撃戦になったら、市民が巻き添えになるのは避けられないと考えるべきだ。
そんな事態を避けるには、少なくともアメリカの警察官なみに射撃訓練を重ねる、要するに撃ちまくっていなければならない。
私も陸上自衛隊の末端(陸上自衛隊生徒)でライフル、軽機関銃、重機関銃、対戦車ロケットなどの基本的な訓練を受け、射撃は得意だったというのが、ささやかな自慢だが、とにかく日本の場合、自衛隊も警察も、極端といってよいほど射撃訓練がお粗末なのだ。

