東大では倫理観のある人間が狂っていく

2018年にディオバン事件というのがあった。

5つの大学で行われたディオバンという血圧の薬の予後についての大規模調査で論文不正があり、2018年にすべての論文が撤回されたという事件だ。

これにまつわる不正が発覚した教授はほとんどの人が辞任したが、千葉大学でこの研究を行い、東大教授に転任した人物だけは東大に居座り続け、なんと名誉教授になっている。

東大理科III類は2018年度から入試での面接試験を復活させたが、そのタイミングは、医学部の学生有志がこの名誉教授になった人物やほかの教授の研究不正や研究費不正に対して公開質問状を出した時期のあと、準備したと思われるくらい時期が重なる。

面接の復活は医師としての倫理性の有無などを確認するためとも考えられるが、いくら勉強ができても(理科III類に入る学力があっても)、教授にたてつく人間には入ってほしくないというふうに解釈することもできる。面接で排除すればそれを防げると考えたのだろう。

自分たちのモラルを反省することなく、逆に正義感の強い学生を排除する学部なのだ。私は面接のないころに東大医学部に入学したが、今受けたら面接で落とされていることだろう(生意気なうえに、発達障害なのだから、落とす理由だらけだ)。

要するに東大(とくに医学部)はワルに甘いのだ。倫理観がある人間だって、その風土に染まると倫理観が狂ってくるのだろう。

さて、再発防止策だが、彼らに自浄作用は期待できないと考えたほうがいい。今はさまざまな形で内部通報がしやすくなったのだから、警察もマスコミもそれをまじめに取り上げることだ。

和田秀樹、鳥集『東大医学部』(ブックマン社)
和田秀樹、鳥集『東大医学部』(ブックマン社)

とくに東大という学校は警察にはものすごく従順だ。法学部もあるのだから、「容疑者」は法律的には推定無罪のはずなのに、警察が逮捕したとたんに懲戒解雇にしている。警察が頑張るしか、東大に倫理は期待できない。

前述の国際卓越研究大学にしても、ここまで甘く見られていて、警告を無視し続けてきたのだから、一度は落としてやらないと彼らは変わらないだろう。

私は日本大学の常務理事をしていたことがあるが、学生の起訴されないレベルの不祥事で補助金を打ち切られたことがある。そのくらいの対応を文科省にはしてもらわないと東大の再建は難しいだろう。

海外との競争が厳しくなっている以上、東大にしっかりしてもらわないと日本の先行きが暗いものになってしまう。その回避ができるかどうかは、警察や文科省の対応次第だと私は考えている。

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