2009年、ハーバード大卒業。帰国後、外資系コンサルティングフォームのプライスウォーターハウスクーパーズで働きながら、TFJの創立準備を始める。

【松田】まず働くことについてビジョンを描いてもらいます。高校に行かないのは大学に行くつもりがないからで、なぜ大学進学を考えないかというと、その先の就労についてのイメージが何もないからです。ですから早い段階で、就労について考えさせることが人生を変える一歩になります。

【田原】就労を考えさせるってどういうことかな。仕事は、中学校や高校を卒業した人にもあるでしょう。どうして大学まで出る必要があるのですか。

【松田】現状だと、中卒や高卒だと就労機会が限られます。正社員になりたくても、非正規でしか雇ってもらえなかったり。それはアメリカも同じです。

【田原】非正規だっていいじゃないですか。就労を考えさせるって、正社員になろう、大企業に入ろう、そのためにいい大学に入れと気づかせるということなのですか。

【松田】いえ、けっしてそういうことではないです。自分の経験を振り返っても、安定した会社に入ればそれでいいということではないと思います。

【田原】じゃあ、あなたのいう就労って何なの? 真剣に聞いているんだから、きちんと答えてよ。僕は就労って、生きがいを感じられる仕事に就くことだと思う。そのためには知識を持ったほうがよくて、その手段として高校や大学への進学がある。そうじゃない?

【松田】まさにそうです。情熱を傾けられることを自分の仕事にするために、進学して就労機会をつくっていくということを私もいいたかったのです。