ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」を率いる猪子寿之氏。チャーミングな笑顔と物怖じしない言動が強烈な印象を残すが、独特のキャラクターに目を奪われていてはいけない。猪子氏の真骨頂は、いまの時代を鋭くつかむ観察眼にある。若い世代を代表する論客に、いまの日本はどう映っているのか。組織論からリーダー論まで、田原氏が迫る!
【田原】猪子さんには何度か「朝まで生テレビ」(テレビ朝日系)に出ていただいて、おもしろい人だと思っていました。でも、猪子さんが具体的に何をしているのか、僕はよくわかっていない。チームラボは何をする会社ですか。
【猪子】簡単に言うと、デジタルのテクノロジーと、デジタル領域のクリエーション(創造)でいろいろな領域に対して付加価値をつくるお手伝いをしています。
【田原】情報を扱うのではなくて、クリエーティブということ?
【猪子】情報ですよ。いまは情報社会という新しい社会になってきた。そうすると、すべての領域がデジタルの領域になる。デジタル領域はいままでとテクノロジーも違うし、クリエーティブもまったく違います。
【田原】デジタルになれば、すべてコンピュータで処理できるようになるわけですよね。
【猪子】そう。それによって、デジタルだからできる表現が新たにいっぱい出てきた。新しい領域の中で、新しい技術を使って、新しい表現をすることをおもしろがっています。
【田原】新しい表現とは、たとえば?
【猪子】あそこに飾ってあるアートもそうです。あれは映像の尺が100年あります。普通、映画だとせいぜい2、3時間。あれは100年、映像が変わり続ける。
【田原】すごいね。でも100年動く映像にどういう意味が? 使いみちは?
【猪子】うーん、ロマンチック、かな。
【田原】僕には高級すぎてわからない。