21世紀の情報社会において、中間管理職の役割はなくなる
【田原】チームラボには300人のメンバーがいます。これだけの人数がいると、普通は管理が必要になります。そこは猪子さんがやっているの?
【猪子】昔と違って、いままでの概念で言う管理なんて必要ないです。20世紀まではメールもインターネットも、携帯もない時代だったから、情報をやり取りするのも大変でした。1人が情報をやり取りできる人数は限られているから、全体の人数が増えると、あいだに誰か管理者を入れざるをえなかった。そうしてピラミッド型の組織ができたわけです。
【田原】そう、日本の企業には、管理が仕事になっている管理職がたくさんいる。だからブラック企業なんていう話になる。
【猪子】でも、いまはメールで情報をみんなに一瞬で伝えたり、逆にみんなの情報を一瞬で集めることができるようになった。そうすると、管理職なんていらないかもしれないですね。
【田原】理屈はよくわかります。でも、本当にそれでできるのかな。あなたの会社に管理職はいないの?
【猪子】永久的な管理職はいないです。基本的に仕事の9割方は、お客様からの相談がきっかけで始まります。具体的なプロジェクトができれば、そのプロジェクトをマネジメントする人を決めますが、そのプロジェクトが終わればその人はマネジャーではなくなる。
【田原】ずっと管理職にならないということは、出世もない。若い連中は何をしにこの会社に入ってくるの?