“調査した範囲内においては”というただし書きが付きますが、超ハイレベル校に通う子供たちは、全体的に驚くほどバランスのいい食事を取っていて、他の2校とは少し違います。不足しがちなカルシウムも、牛乳や乳製品をはじめとする食品を通して、しっかり取っています。とにかく中学に入った段階で体格が非常によく、スラリと身長が高く、しかも骨や筋肉もしっかりしているのです」

では実際に、どのようにしてカルシウムを取るのが賢い方法なのだろうか。

カルシウム摂取の定番料理「クリームシチュー」(左)と、牛乳+大豆で栄養たっぷり「みそ入りミルクスープ」(右)

「カルシウムと聞いて誰もが思いつく食品が、牛乳・乳製品。事実、牛乳はカルシウムの吸収率がよく、小魚33%、野菜19%に対し40%。冷蔵庫に入れておけば、いつでも手軽に取れる点も魅力です。最近では、積極的に牛乳・乳製品を加える料理法が話題になっています。なじみのあるクリームシチューだけでなく、みそ入りミルクスープなども試してみてはいかがでしょうか。また、ハンバーガーを食べるときには、肉の上にチーズを1枚のせてチーズバーガーにするだけでも、カルシウムの量が変わってきます。そんなところにも気を配るといいでしょう」

チーズ1枚でもカルシウム摂取に効果あり

もちろん、昔からいわれてきた小魚はじめ野菜、豆製品など、いろいろな食品からもカルシウムが取れるのは、日本人の食生活ならではのいいところといえる。

「魚=カルシウムと考える人がいますが、あくまで“骨ごと食べる”ことがポイントです。魚料理をあまりしない家庭でも、ワカサギやシシャモにチーズをのせて焼くなどの方法は簡単でおすすめです」

では、サプリメントで取る方法はどうか。貧血対策の鉄と一緒にカルシウムも取れれば、とても手軽で便利なように思える。

「カルシウムをサプリメントで取ると、心血管疾患のリスクが高まる危険性のあることがわかってきています。鉄にせよ、カルシウムにせよ、通常の食品ではありえないくらい高濃度なものを一度に摂取するわけなので、血中濃度が一気に上がることもある。特に子供たちは大人よりカルシウムの吸収率が高く、一度に多量に摂取した場合のリスクを考慮する必要があります。医師や管理栄養士など専門家の指示なしに、子供にサプリメントを与えることは絶対に避けてください」