再生コンサルタントは役に立つ?
現実に、企業再生はそう簡単ではありません。最近の代表的な企業再生の例であるJALの場合も、金融機関からの借入金5215億円を切り捨てています。
このように債務の切り捨てなくして、そう簡単に再生などできません。「企業再生をやっているコンサルタントです」と名乗る方は結構いらっしゃるのですが、多くの再生コンサルタントは、本質的な問題解決、すなわち債務免除などを検討、実行し、スポンサーを探し、コストを削減し、売上をあげるなどということはできません。実際にそんな会社再生をしたことのあるコンサルタントがほとんどいないからです。良い再生の事例を思いつかない読者の方が多いと思いますが、そもそも実例が少ないからです。
再生コンサルタントの仕事は、金融機関に対して返済スケジュールの見直しを求めるための資料作りをしているにすぎないケースがほとんどです。一時的に返済スケジュールの見直しを実現しても会社の業績の向上が見込めない場合、このような再生コンサルティングに付き合っていることも、時間とお金の無駄になります。
そんな無駄なことよりも、顧客、従業員、取引先、そしてご自分の将来の生活を考え、会社をたたむことを優先すべきです。延命をしているうちに、連載2回目で説明したように会社をじょうずにたたむことが難しくなります。会社をたたむことを恐れずに破産は自分たちを守ってくれる制度だと考えてください。
いたずらに延命策だけを言ってくるのではなく、会社をたたむことのメリット、デメリットを説明できる再生コンサルタントであれば、信頼して大丈夫です。
(企画協力=アルテ総合法律事務所(村井淳也・弁護士/渡邉 論・弁護士))