年末年始の帰省では、些細な会話をきっかけに嫁姑の間に行き違いが起こることがある。日本合コン協会会長で、一児の母として200人規模のママ会代表を務める田中絵音さんは「子育て論は時代によって大きく変化している。価値観の違う姑のアドバイスで、嫁がストレスを感じることも多い」という――。
厳しい視線を投げるシニア女性を不安そうな若い女性が見つめている
写真=iStock.com/maruco
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無神経な義母にイライラを隠せない妻

義実家での何気ない一言に、心をえぐられた――。世の妻たちには、多かれ少なかれそういった苦い記憶があるのではないでしょうか。とくに子育てに関する話題は、姑の経験や価値観が強く表れやすく、知らず知らずのうちに「否定」や「マウント」になってしまうことも少なくありません。

今回は、無神経な姑がよく口にする「子育てマウント発言」をピックアップ。実際に私が見聞きした、嫁たちの心が乱されたエピソードとともにご紹介します。

古い価値観の押し付けにウンザリ

子育てマウント①「3歳までは保育園に預けたらかわいそう」

まずは、かつて日本でささやかれていた「三歳児神話」を、姑が押し付けてくるケースです。

産休を終えたA子さん(30代)は、仕事復帰に伴い、保育園に預けることを姑に伝えました。すると、姑から返ってきたのは、こんな言葉。

「3歳まではお母さんが家で育てないとダメよ」
「そんなに早く預けたら、子どもがかわいそう!」

いまや時代遅れと化した「三歳児神話」を、そのまま嫁に当てつけた発言です。

「三歳児神話」とは、主に1960年代の高度経済成長期の頃に広まった考え方です。当時は、女性は結婚したら仕事を辞めて家庭に入り、専業主婦になることが一般的な時代。母親が育児の主な担い手とされていました。

こうした時代背景から、「子どもは3歳まで母親が家庭で育てないと、健全な成長ができない」といった価値観が生まれ、「三歳児神話」が語られるようになったのです。

モヤモヤしても姑に言い返せないツラさ

厚生労働省も「三歳児神話に合理的な根拠はない」としており、子育てにおいては、母親でなくても誰か安心できる家族などの大人が、愛情を持って関わることが重要とされています。

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信頼できる保育園やシッターさんなどを利用して多様な大人や環境と触れ合うことも、子どもの社会性や心の安定に繋がるのです。

共働き世帯が増え、育児の選択肢が多様化している現代においても、姑世代の中にはいまだに「母親は家にいるべき」という価値観が根強く残っている場合があります。

姑から「私は子どもが3歳になるまで、ずっと家にいたわよ」と、今とは時代の違う自分の時の育児を“正解”として押し付けて来られたら……。内心、「共働きでやっと生活が回ってるのに」「私だって好きで預けるわけじゃないんですけど!」と、モヤモヤしても姑に向かってはっきり言えるわけでもなく、ストレスが溜まる一方です。