少しくらい出世しても年収は劇的にアップしない

現代の管理職は、パワハラやモラハラに対する関心が高まったことで、満足に部下を叱れないような状況に置かれています。

和田秀樹『体力がない人の仕事の戦略』(クロスメディア・パブリッシング)
和田秀樹『体力がない人の仕事の戦略』(クロスメディア・パブリッシング)

部長や課長に昇進することを目指して頑張ってきた人であっても、「何となく話が違うな……」と感じている人も少なくないように思います。

日本企業には、それまでの実績とは無関係に、年齢だけで切り捨てられる「役職定年」という制度があるくらいですから、現実とのギャップに悩んでストレスを抱えていたり、責任が重すぎて体力的にも、メンタル的にも厳しいと感じているならば、「管理職を辞退する」という選択肢があってもいいと考えています。

少しくらい出世したところで、経営者や役員にでもならない限り、年収が劇的にアップするようなことはありません。

このまま続けていても、今の調子では役員になる可能性はないだろうな……と感じているならば、自分にムリをしてまで管理職にしがみつく理由はないように思います。

働き方改革の渦中で、肉体的にも精神的にも苦しい毎日が続いているならば、管理職を辞退して、現場復帰を申し出ることも、現代のビジネスパーソンが選択できる有効な戦略であり、大事な「意識革命」となります。

どうしても、逃げるという行為に抵抗がある人は、「ルート変更」と考えてみれば、ポジティブな気持ちになれるのではないでしょうか?

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