イタリア人旅行客の「ヤバすぎる行動」
事件が起きたのは東欧の国ルーマニアだ。
バルカン半島の東部に位置するルーマニアは、推計で約1万頭のヒグマ(ブラウンベア)が生息する、ヨーロッパ随一の「ヒグマ大国」として知られている。
国土の中央を通るカルパチア山脈にそって、ヨーロッパ最大級の森林地帯を有している。森林はヒグマにとって格好の隠れ蓑になると同時に、ヒグマの主なエサである木の実や果実を供給してくれる。ルーマニアはヒグマにとって非常に暮らしやすい土地と言っていいだろう。
そのルーマニアの国民が一斉に外国人観光客に怒りを向ける事件が起きた。以下、現地報道などをもとに事件の詳細を追ってみよう。
事件が起きたのは2025年7月。ルーマニアを訪れていたイタリア人観光客のオマール・ファラン・ジン氏は、ルーマニアの山中をバイクにまたがってツーリングしていた。
「世界で最も美しい道路」とも称され、ヨーロッパのバイク愛好家の間で人気のある「トランスファガラシャン国道」を走っていた時のことだった。道路脇にヒグマの姿を見つけた彼は、道路脇にバイクを停め、スマートフォンで写真を撮影し、SNSにアップしていった。
彼のアカウントにはたちまち、大量のヒグマ画像があふれた。
再び走りだしたオマール氏は、別の場所でもヒグマに遭遇し、今度は動画を撮影した。彼のアカウントに投稿された動画には、道路脇に顔をのぞかせたヒグマの横を、オマール氏がバイクで通り過ぎていく様子が映っている。
さらにオマール氏がアップした別の写真では、サングラスとヘルメットを着用した同氏が、満面の笑みを浮かべながら、数メートル先のヒグマを指差す姿が写っている。
投稿したヒグマの写真や動画にたくさんの「いいね」が寄せられ、オマール氏がご満悦だったことは想像に難くない。


