無料でも「戦力化」できるユーザーという資産
Spotifyは、無料ユーザーをコストではなく「収益を生む存在」として捉えています。広告付きの無料プランでは、ユーザーが音楽を聴くたびに音声広告やディスプレイ広告が配信され、広告主からの収益が発生します。
広告原価が抑えられているため、無料ユーザーが長時間利用しても採算性が損なわれません。この構造によって、Spotifyは膨大な無料ユーザーベース全体を利益資源として活用できるのです。
Apple MusicやAmazon Musicと異なり、無料提供に積極的な姿勢もその象徴です。また、長く無料で使ってもらうことで有料移行の機会を増やすという設計も機能しています。無料でも収益化でき、将来的な課金ユーザー候補にもなり得る――。
この多層的な価値構造が、Spotifyを業界内で際立たせているのです。


