セブン-イレブンが「日本一のカフェ」に

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喫茶店vsコンビニエンスストア

約1兆円余りの規模で推移する日本の喫茶店市場で、まもなくセブン-イレブンが頂点に立つ。店舗数だけでいえば「セブンカフェ」はまぎれもなく日本一のカフェチェーンだ。発売から約半年で販売数は早くも1億杯を突破。その力のほどを見せつけた。

しかし、100円コーヒーのお株を奪われた格好のマクドナルドは「マックカフェ バイ バリスタ」を今年末までに100店以上、中長期的には500~600店に導入する計画を打ち出している。ほかのコンビニチェーンも、全店導入を急ピッチで進め、現在の価格(150円)をセブン-イレブンやマクドナルド並みに引き下げる可能性も否定していない。

「『セブンカフェ』はメニューがシンプルなので、飽きられて客が離れていかないとも限らない。店舗全体でセブン-イレブンを追い抜くことは難しいが、単品レベルでは顧客志向のローソンなどほかのチェーンにも可能性はあるでしょう」(首都大学東京大学院 准教授・水越康介氏)

シアトルから上陸したスターバックス、外食産業から100円という価格で殴りこみをかけたマクドナルド。何度も外からの動きに揺さぶられてきた日本のカフェ市場で勃発したコーヒーウォーズの行方は波乱含みだ。バリスタの下山修正氏は、「テークアウト専門のお待たせしない店というコンセプトを追求する形で、『ビニカフェ』(コンビニコーヒー)はまだまだ進化をするでしょう」と予想する。

震災後、コンビニの社会インフラとしての存在感は高まった。「あると便利な店」から「なくてはならない店」へ、そして「心地よいひとときが得られる店」へ。「ビニカフェ」はコンビニの新たな価値を創造している。