現在の政治情勢の影響で、日本には中国をネガティブかつ政治的に描く媒体があふれている。そんな中、大胆にも中国をポジティブに取り上げた本が出されたことに、私はある種の驚きを覚えている。

著者である林幸秀氏は元文部科学省の文部科学審議官。退官後は、宇宙航空研究開発機構副理事長、東京大学先端科学技術研究センター特任教授などを務めている。

そんな林氏は、本書において、日本では珍しく、中国の科学技術分野での成果、実績、問題点を素直に分析しているのだ。世界一と評価されたことのあるスパコン「天河1A」、有人潜水調査船「蛟竜」、天体望遠鏡LAMOST、核融合研究装置EAST、iPS細胞マウス「小小(シャオシャオ)」、遺伝子解析会社BGI社など、中国の最先端科学技術の成果と組織を取り上げ、高く評価。同時にその問題点も忌憚なく指摘、疑問点を提示している。

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