幸福度世界一とも言われる北欧・デンマークの人々はどのような人間関係を築いているのか。デンマーク文化研究家の針貝有佳さんは「彼らは人間関係が深刻化する前に距離感の調整を行う。そのため、離婚率は日本よりも高い40%である一方で、離婚後も共に子育てを行っている」という――。(第3回/全3回)

※本稿は、針貝有佳『デンマーク人の休む哲学』(大和書房)の一部を再編集したものです。

悩み事があると心は休まらない

皆さんは、どんなときに「休めている」と感じるでしょうか。また、どんなときに「休めていない」と感じるでしょうか。

なかには、デジタルデトックスをしても、何もしていなくても、「心が休まらない」という人もいるのではないでしょうか。

何か大きな問題や不安を抱えていると、頭が「悩み」に支配されてしまいます。余白というと聞こえは良いのですが、正直、何も予定がない暇な時間を持つこと自体が嫌だ、という人も多いのではないでしょうか。

隙間時間ができると、悩み事が頭の中をぐるぐると駆け巡り、ネガティブ思考が止まらなくなってしまう。それだったら、スマホを見て気を紛らわしていたほうがいい、と感じるかもしれません。

そもそも、深刻な悩みを抱えていると、心が休まりません。

そんな状態では、せっかく余白があっても、悩み事が頭を駆け巡るだけ。ただの苦痛でしかありません。

コペンハーゲンで横断歩道を渡る人々
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デンマーク人は「問題を深刻化させない」

ハーバード大学のロバート・ウォールディンガー教授らによる幸福研究によれば、健康で幸せな人生を送るカギは「良好な人間関係」です。

つまり、良好な人間関係がなければ、本当の意味で心身がリラックスした健やかな状態で過ごすことはできない、ということです。

人間関係の悩みを抱えていると、時間があっても、デジタルデトックスをしても、心身が休まらない状態が続いてしまうのです。

デンマーク人を見ていると、問題を「深刻化させない」ことが上手です。

デンマークは国際ランキングで常にトップ3に入る「幸せな国」ですが、彼らにも悩みがないわけではありません。

ただ、デンマーク人は問題への対処が迅速で、さらに抜本的な解決方法をとるので、問題を必要以上に長期化あるいは深刻化させずに済むのです。