低所得者を支えるスーパーマーケット
相対的貧困率の高止まりも日本社会の大きな問題だ。可処分所得が人口全体の中央値の半分に満たない人の割合は15.4%と、先進国では米国や韓国などに次ぐ高い水準になっている(*5)。
日本のジニ係数(平等ならゼロで、格差が大きくなるほど1に近づく)は1980年以降緩やかに上昇し、高止まっている。所得差が大きい高齢者層が増えれば格差は拡大しやすくなる一方、雇用環境の改善は格差是正につながる。
*5 厚生労働省「国民生活基礎調査」
低所得家庭への支援はスーパーマーケットでも広がっている。USMH傘下のマルエツは首都圏の100店以上をフードドライブの拠点にしている。フードドライブとは、家庭で使いきれない食品を顧客から寄付してもらい、NPO法人や社会福祉協議会、自治体を通じて、支援を必要とされている施設や団体、子ども食堂などに届ける取り組みだ。
千葉県内では、とうかつ草の根フードバンク(TKF)の協力を得て、鎌ヶ谷大仏店や小金原店などに専用のボックスを置き、2024年10月末までに約16万点の食品を集めた。地域の子ども食堂支援を目的とする募金活動も全店舗で展開しており、2020年からの累計寄付額は1億円を超える。地域社会の課題解決や食品ロス削減に貢献する狙いだ。



