長期的には輸出を視野に入れ増産する

ちなみに、石破政権が「コメ増産」へと舵を切るとしていたのは、「コメの輸出」という出口の拡大を念頭においてのことでした。しかし、日本政府は2030年までに現在の8倍である35万トンの輸出を目指すという「食料・農業・農村基本計画」を立てていますが、この量は今年の収穫量のたった5%程度です。だからこそ、短期的な増産には慎重にならざるを得ません。

まして、先に述べたように今年は豊作で民間在庫も潤沢なのに、「輸出」という不確実な出口を想定して、来年度から急にコメを大増産するわけにはいかないのです。

しかも、依然として日本では人口減少が進んでいます。そのぶん、コメの需要量は下がっていくことが明白です。だからこそ来年度については「増産から減産への転換」ではなく「需給バランスから適正な生産量を策定した」と捉えるのが妥当なのです。