「軽トラでとぶつかると、軽トラが全損する」
「クマは頑丈。軽トラでドンとぶつかると、軽トラの方が全損するんです」と、1・2件目の現場捜索に参加した猟友会メンバーの佐藤浩人さんは語る。「JRにぶつかって事故ったクマを捕まえたことがあるんですけど、列車に飛ばされても死んでなかった」
戸沢村役場でも調査を進めると、興味深い情報が得られた。「事件の前か後かは不明ですが、村内の角川地区で、犬がクマを連れて来て山に戻らなくなってしまい、ある農家にしばらく居ついていたことがあるようです」と総務課危機管理室の小林直樹室長は語った。しかし「その家から事件現場までは10km程度離れていて、山系も違う集落なので、事件との関連性については疑問が残る」という。
結局、加害グマがかつて村で飼育されていたという説の真偽は確定できなかった。しかし現地取材を通じて明らかになったのは、今なお人の暮らしの近くでクマと共存する状況と、人間の領域とクマの領域が交差したときに事故が起こりうるという現実だ。「高齢化、過疎化、薪から化石燃料への変化で山林が荒廃し、人里と山の境界が曖昧になっていることが、クマが人里まで降りて来る理由の一つ」と小林さんは指摘している。
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(「文春オンライン」編集部/Webオリジナル(外部転載))

